低用量ピル

当院では、女性のライフスタイルに合わせた健康管理の一環として、低用量ピルの処方を行っております。低用量ピルは、避妊目的のみならず、ホルモンバランスを整えることで月経に関するさまざまなお悩みを改善できるお薬です。安全性の高い薬剤であり、正しく使用することで生活の質を大きく向上させることができます。
低用量ピルの効果について
ピルには排卵を抑える働きがあり、高い避妊効果が得られるのが最大の特徴です。
また、月経周期が安定し、生理痛やPMS(生理前の情緒不安定・頭痛・むくみなど)が軽減されることが多く、毎月の不調に悩まされていた方には大きなメリットがあります。
肌の状態も安定し、ニキビなどの肌荒れが改善されることもあります。
一方で、まれに吐き気や頭痛、不正出血などの副作用が出ることがありますが、多くは飲み始めの一時的なもので、数ヶ月で体が慣れて症状が落ち着くことがほとんどです。
喫煙や体質によっては血栓症のリスクがわずかに高まることもあり、当院では初回診察時に丁寧な問診と必要に応じた検査を行い、安全に服用いただけるよう配慮しています。
低用量ピルの飲み方
低用量ピルは、毎日同じ時間に1錠ずつ服用することで、その効果を最大限に発揮します。
飲み忘れを防ぐためには、スマートフォンのアラームを設定したり、目に見える場所に置くなどの工夫が有効です。万が一飲み忘れてしまった場合でも、対処法がありますので、慌てずにご相談ください。
飲み続けることで月経のリズムも安定し、「予定通りに生理がくる安心感」が得られます。
低用量ピルの副作用と血栓症について
副作用として、最も多く見られるのは軽度の吐き気や頭痛、乳房の張り、不正出血などですが、ほとんどが体が慣れてくることで自然に軽快します。
ただし、ピルを服用している女性は、非常にまれではありますが、血栓症(血の塊が血管を詰まらせる病気)になるリスクがわずかに上昇することが報告されています。
特に喫煙をされている方、肥満体型の方、40歳以上の方には慎重な判断が必要です。心配な方は遠慮なくご相談ください。
保険のピルと自費ピルの違い
ピルには保険適用のものと、自費診療で処方されるものがあります。
月経困難症や子宮内膜症といった治療目的で使用されるピルは、保険が適用されますが、避妊を主な目的とする場合は自費での処方となります。
ご自身の目的や体調、ご予算に応じて、最適な選択ができるように、わかりやすく丁寧にご案内いたしますので、初めての方もご安心ください。
低用量ピルの料金
自由診療の場合、初診料:3,300円/再診料:1,100円(税込)が別途発生いたします。
低用量ピル(初回) | 2,600円(税込) |
低用量ピル(2回目以降) | 2,400円(税込) |
ピル定期採血 | 3,800円(税込) |
月経移動

大切なご予定と月経が重なってしまうことは、女性にとって大きな悩みのひとつです。
旅行や結婚式など、「どうしても避けたい」タイミングに生理が来てしまうことを防ぐ手段として、ホルモン剤(低用量ピル、中用量ピルなど)を使用して月経のタイミングを調整する「月経移動」があります。
当院では、安全性と効果をしっかり確認しながら、患者様に合った方法をご提案いたします。
受診のタイミング
月経移動をご希望の場合は、早めの受診が重要です。
- 月経を早めたい場合は、少なくとも生理予定日の3週間以上前の受診が必要です。
- 月経を遅らせたい場合は、生理予定日の7〜10日前にはご相談ください。
受診が遅れてしまうと、効果的なコントロールができない場合があります。余裕を持ったスケジュールでの受診をおすすめいたします。
すでに低用量ピルを服用している方へ
すでにピルを服用されている場合は、服用のタイミングを調整することで月経を早めたり、遅らせたりすることが可能です。いつまでにどのように調整するかは、現在のシートの状態によって異なりますので、必ず医師の指導のもと行ってください。
生理を早めたい場合
生理を早めたい場合は、現在の生理が始まって数日後からホルモン剤の服用を開始します。
通常、7〜10日間ほどお薬を飲み続けていただくことで、服用終了後数日で生理が来るように調整します。
服用を始める時期や期間は、ご希望の生理日のタイミングや目的(旅行・受験・大切なイベントなど)によって異なります。
安全かつ効果的に日程を調整するためにも、できるだけ早めにご相談ください。
生理を遅らせたい場合
生理を遅らせたい場合は、次の生理予定日の1週間ほど前からホルモン剤の服用を開始します。
1日1回の服用を生理を避けたい期間が終わるまで続けていただきます。服用をやめると、数日後に生理が始まります。
イベントや旅行、試験など、大切な予定と生理が重なりそうなときに有効な方法ですが、服用の開始時期や日数はご希望の時期や体調によって異なります。
安全に調整するためにも、詳細はクリニックまでご相談ください。
使用する薬と副作用
月経移動には、低用量ピルや中用量ピルなどのホルモン剤を用います。一時的な使用で大きな副作用は少ないとされていますが、吐き気、頭痛、乳房の張り、不正出血などが出る場合もあります。いずれも軽度で一過性であることが多く、しっかりと医師の管理下で使用することで、安全に効果を得ることができます。
服用できない方
血栓症や重度の肝機能障害のある方、40歳以上で喫煙をされている方、心疾患のある方などは、ピルの服用が制限されることがあります。事前にしっかりとした問診・診察を行い、安全に使用できるかを確認いたしますので、少しでも気になることがある方は遠慮なくご相談ください。
月経移動ピルの料金
自由診療の場合、初診料:3,300円/再診料:1,100円(税込)が別途発生いたします。
月経移動ピル処方(1回) | 3,600円(税込) |
アフターピル(緊急避妊ピル)

避妊に失敗してしまった、あるいは避妊をしないまま性行為を行ってしまった場合に、妊娠を防ぐために使われるのが「アフターピル(緊急避妊薬)」です。
性交渉後、できるだけ早いタイミングで服用することによって、妊娠のリスクを大幅に下げることが可能です。
当院では、プライバシーに配慮した診療環境を整えており、初めての方でも安心してご相談いただけます。
アフターピルとは
アフターピルには、排卵を抑えたり、子宮内膜を変化させて受精卵の着床を防ぐ働きがあります。
市販はされておらず、医療機関でのみ処方可能です。性交渉から72時間以内(できるだけ早いほど効果が高い)に服用する必要があります。
このような場合は、早めにご相談ください
- コンドームが破れた・外れてしまった
- 避妊をせずに性交があった
- ピルを飲み忘れた状態で性交した
- 性的なトラブルに遭ってしまった
上記のような場合は、可能な限り早く当院にご相談ください。時間が経つにつれて避妊効果が下がるため、迅速な判断がとても重要です。
アフターピルの副作用
多くの方が軽い副作用のみで服用できますが、吐き気、頭痛、腹痛、倦怠感、不正出血、次回の生理が早まったり遅れたりするなどの症状が出ることがあります。
また、まれに次の月経が来るまで妊娠していないか不安になる方もいらっしゃいます。当院では服用後のご不安にも丁寧に対応し、必要に応じて妊娠検査などもご案内いたします。
緊急避妊ピルの料金
自由診療の場合、初診料:3,300円/再診料:1,100円(税込)が別途発生いたします。
アフターピル(緊急避妊薬・先発品) | 9,000円(税込) |
アフターピル(緊急避妊薬・後発品) | 7,000円(税込) |
ミレーナ(避妊リング)

「確実に避妊したいけれど、ピルを毎日飲み続けるのは大変…」そんな方におすすめなのが、ミレーナ(子宮内黄体ホルモン放出システム)です。
ミレーナは、子宮内に小さなT字型の器具を挿入し、そこから少量の黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を持続的に放出することで避妊効果を発揮する医療機器です。
避妊以外にも、月経過多や月経痛の改善効果が認められており、治療目的でも多くの方が利用されています。ミレーナは避妊目的のみでは保険適用外(自費)ですが、過多月経および月経困難症の治療目的で使用する場合は健康保険が適用されます。
ミレーナについて
ミレーナは、1度の挿入で5年間効果が続く長期避妊具で、避妊効果は99%以上と非常に高い水準です。さらに、子宮内膜が薄く保たれることで、月経量が減り、生理痛も軽くなるという副次的効果があります。
特に、毎日の服用が難しい方や、生理の症状で日常生活に支障をきたしている方に適した選択肢です。
このような方におすすめ
- 長期間確実な避妊を希望される方
- 月経量が多く貧血気味の方
- 毎月の生理痛がつらい方
- 授乳中でも避妊をしたい方
- ホルモン治療による体調管理を希望される方
ミレーナのメリットとデメリット
- 一度の挿入で5年間の避妊効果がある(定期的な交換が不要です)
- 生理の量が減り、痛みも軽減される
- ホルモン量が少なく、全身的な副作用が少ない
- 授乳中でも使用可能
- 挿入直後や月経時にに痛みを伴う場合がある
- 最初の数ヶ月は不正出血が見られることがある
- 稀に子宮外に脱出してしまうことがある
副作用やリスクについて
ミレーナの挿入後、数ヶ月間は不正出血や軽い下腹部痛が続くことがあります。
また、ごくまれに感染症や穿孔(子宮壁に刺さってしまう状態)といったリスクがあるため、定期的な経過観察が重要です。
当院では、挿入後1ヶ月目のチェックを行い、必要に応じて超音波検査なども実施します。
なお、クラミジア・淋病、梅毒、HIV感染症といった性感染症を予防する効果はありません。性感染症の予防のためには、コンドームを使用します。
ミレーナ挿入の流れ
- 初診・カウンセリング
問診・内診・超音波検査などで子宮の状態を確認します。
必要に応じて採血をし、感染症・ホルモンバランス等をチェックします。 - 挿入
月経中または直後のタイミングで行います。
内診台で、ミレーナを子宮の入口から挿入します。施術は数分で終了します。 - 定期検診
1・3・6・12カ月後に定期検診のためのお越しいただきます。
その後は、1年ごとに定期検診を行い、5年を迎える前にミレーナを交換します。
挿入できない方
以下に該当する方は、ミレーナの適応外となります。
- ミレーナの成分(レボノルゲストレル)に過敏症を持っている方
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- 月経以外に不正出血がある方
- 過去3ヶ月以内に性感染症になった方
- 子宮内感染症のある方
- 子宮奇形や筋腫によって形状が大きく変化している方
- 重度の肝障害のある方
料金について
自由診療の場合、初診料:3,300円/再診料:1,100円(税込)が別途発生いたします。
避妊リング(ミレーナ) | 60,000円(税込) |
※過多月経や月経困難症などの症状がある場合は保険適用になることがあります。