生理のお悩みについて

生理(月経)にまつわる不調は、多くの女性が日常的に抱えているものです。月経前の心身の不調(PMS)、強い月経痛、生理周期の乱れや過剰な出血など、症状の現れ方は人それぞれですが、そのつらさは決して軽視できるものではありません。なかには仕事や学業、家庭生活に支障をきたすほど深刻なケースもあります。
当院では、月経に関するさまざまなお悩みについて、丁寧な診療を行っています。一人ひとりの症状やライフスタイル、ご希望に寄り添いながら、安心して毎日を過ごしていただけるよう、最善の治療とサポートをご提案します。
生理に関する疾患について
月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)
月経前症候群とは、生理前に体や心に不快な症状が現れる状態を指します。頭痛や腹痛、むくみ、イライラ、気分の落ち込みなど、身体的・精神的に様々な症状が現れることが多いです。PMSの原因ははっきりしていませんが、ホルモンの変動が関与しているとされています。
PMSの症状は個人差が大きく、軽度な症状であれば日常生活に支障をきたすことは少ないですが、重度の場合は「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼ばれ、専門的な治療が必要となることもあります。
当院では、PMSやPMDDに対して、まずは丁寧な問診を行い、ホルモンバランスや生活習慣との関連性を探っていきます。そのうえで、低用量ピルや漢方薬によるホルモン調整、必要に応じたカウンセリング、ストレスコントロールや食生活のアドバイスなど、多角的なアプローチを行っています。心と身体、両方の視点から患者様のつらさに寄り添い、無理のない方法での改善を目指します。
月経痛(生理痛)
月経にともなう下腹部の痛みは、多くの女性が経験する一般的な症状です。しかし、毎月痛み止めが手放せないほどの強い痛みがある場合、それは「普通の生理痛」ではなく、何らかの婦人科疾患が背景にある可能性があります。
生理痛の原因としては、子宮の収縮による自然な痛みだけでなく、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気によって引き起こされていることもあります。これらの病気は早期に治療を開始することで、進行を抑えたり、症状を軽減できたりすることがあります。
当院では、患者様の痛みの程度や経過を丁寧に伺いながら、必要に応じて超音波検査や血液検査を行い、子宮や卵巣の状態を詳しく確認します。治療は、症状の程度に応じて鎮痛剤の処方から始まり、ホルモン療法、低用量ピル、さらにミレーナ(子宮内避妊具)による長期的な月経コントロールなど、複数の選択肢をご用意しています。患者様のお考えやライフスタイルを尊重しながら、最も安心できる治療方法をご提案いたします。
月経不順
生理の周期が不安定で、毎月来る時期がバラバラだったり、突然数ヶ月止まってしまったりすることはありませんか?「月経不順」はホルモンバランスの乱れをはじめ、ストレスや急激な体重の変化、過度なダイエット、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など、さまざまな要因が関係しています。
月経不順が続くと、将来的な妊娠への影響が出ることもあるため、早めの対応が重要です。当院では、まずホルモン検査や超音波検査を行い、原因を明確にしたうえで適切な治療を行います。生活習慣の見直しが必要な場合には、具体的なアドバイスも行いながら、ホルモン療法やピルの処方など、医学的なアプローチを組み合わせて対応します。
月経過多
月経時の出血が非常に多く、ナプキンを何度も取り替える必要がある、夜間に漏れてしまうといった状態は「月経過多」と考えられます。このような症状は、放っておくと貧血を引き起こし、全身の倦怠感や息切れ、集中力の低下など、さらなる体調不良につながることがあります。
出血量が多くなる原因には、子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、ホルモンの異常などがあり、これらを正確に診断するためには、超音波検査や内視鏡検査が必要です。当院では、診断結果をもとに、ピルや止血剤などの内服薬、ミレーナの使用、さらには子宮内膜焼灼術といった外科的治療まで、幅広い選択肢をご用意し、患者様と一緒に最適な治療方針を決定していきます。
受診の流れ
ご来院時は、まず詳しく問診を行い、現在の症状、月経周期や出血量、これまでの経過などをお伺いします。そのうえで、必要に応じて以下のような検査を行います。
超音波検査
必要に応じて超音波を使用し、子宮や卵巣の状態を確認します。痛みを伴わない検査であり、短時間で結果が得られます。子宮筋腫や子宮内膜症の可能性がある場合に有効です。

採血検査
必要に応じてホルモンバランスの状態を調べるための採血を行います。特に月経不順やPMSの原因を調べる際に重要な検査です。また、貧血や炎症などがないかも確認できます。

治療法について
検査結果を踏まえて、以下のような治療法をご提案いたします。
- 鎮痛剤の処方
月経痛が軽度から中等度の場合、市販の鎮痛剤で対処可能なことが多いですが、症状が強い場合はより効果的な鎮痛剤を処方いたします。 - ピルの処方
ピルは、ホルモンバランスを整えることで月経前症候群や月経不順、月経痛の緩和に効果があります。ピルを服用することで、月経周期を調整し、痛みや不快感を軽減することができます。患者様の体質やライフスタイルに合ったピルを提案いたします。 - ホルモン療法
ホルモンの異常が原因である場合、ホルモン療法を行います。ホルモンバランスを整えることで、月経不順やPMSの症状を改善し、日常生活の質を向上させることが期待できます。 - 外科的治療
子宮筋腫や子宮内膜症が原因の場合、手術が必要となることもあります。症状が強く、他の治療法で改善しない場合は、手術を検討することがあります。当院では、手術のリスクやメリットについて十分にご説明し、患者様と相談の上で最適な治療方法を決定します。
生理に関するお悩みはお気軽にご相談ください
生理に関する症状は、周囲にはなかなか相談しづらく、一人で悩みを抱えてしまう方も少なくありません。けれども、正しく原因を見つけ、適切な治療を受けることで、驚くほど症状が軽くなることもあります。
当院では、患者様のお話にしっかり耳を傾け、安心して相談できる環境づくりを大切にしています。婦人科の診察が初めての方も、どうぞご安心ください。あなたの「つらい」を一緒に解決していけるよう、全力でサポートいたします。早期の受診が症状の改善につながることも多いため、少しでも気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。